老人ホームや特養で亡くなったときの対応と葬儀の進め方｜福岡市のご家族向けガイド

福岡市内には、老人ホームや特別養護老人ホーム（特養）、介護付き有料老人ホームなど、さまざまな高齢者施設があります。

高齢のご家族がこうした施設に入居されている方も多く、「施設で最期を迎えた場合、どうすればよいのか分からない」という声もよく聞かれます。

「介護施設で亡くなったときは病院に搬送される？」「施設内で葬儀はできる？」「すぐに葬儀社に連絡するべき？」など、ご遺族として初めて直面する判断や手続きがいくつもあります。

この記事では、福岡市内で老人ホームや特養に入居中の方が亡くなられた場合の流れや、葬儀の準備についてわかりやすくご説明します。

1. 介護施設・老人ホームで亡くなられたときの初期対応

有料老人ホームやグループホーム、特別養護老人ホーム（特養）などの高齢者施設では、入居者が亡くなられた際、まずは医師（訪問医や嘱託医）による死亡確認が行われます。

ただし、施設の種類や運営方針によって、「看取り対応」の有無が異なります。

とくに住宅型有料老人ホームでは、医療対応が制限されていることも多く、緊急時は必ず病院搬送となる場合があります。

こうした運用の違いを事前に確認しておくことで、いざというときの対応がスムーズになります。

基本的に、ほとんどの老人ホーム・特養では葬儀を行うことはできません。

安置施設や参列スペースがない、運営上の制約があるなどの理由から、外部の会館や斎場を利用するのが一般的です。

ただし、例外的に以下のようなケースでは、施設内で簡易的な葬儀を行うことがあります。

施設によって対応は異なるため、施設内での葬儀を希望される場合は、必ず事前に施設にご確認ください。

また、仮に施設内で葬儀が可能であっても、火葬場の手配や霊柩車の手配、火葬許可証の取得などの手続きは必要になります。そのため、いずれにしても葬儀社への依頼は不可欠です。

施設で亡くなられた後、ご遺体の搬送や葬儀の準備を進めるために、葬儀社への連絡が必要です。

選び方には主に2つのパターンがあります：

どちらを選ぶかはご家族の判断次第ですが、事前に候補を考えておくと慌てずに対応できます。

死亡確認後は、速やかにご遺体の搬送を行う必要があります。搬送のパターンは以下の通りです。

施設での長時間の安置が難しい場合が多いため、搬送先を事前に決めておくとスムーズです。搬送は霊柩車または寝台車を使って行われ、葬儀社が手配を担当します。

施設入居中のご家族がいる場合、次のようなことをあらかじめ話し合っておくと、いざという時の不安が軽減されます。

「まだ元気だし、葬儀のことを考えるのは早い」と思う方も多いですが、老人ホームや特養に入居しているご家族がいる場合、万が一への備えとして事前相談をしておくことは決して不自然ではありません。

多くの葬儀社では、無料で見積もりや施設からの搬送可否、安置先の調整などについて相談できます。また、事前に相談しておくことで、費用感や段取りが見えるため、ご家族も安心して判断できます。

終活の一環として、互助会制度や情報誌の送付などを通じたサポートを受けることもできます。少しずつ情報を集め、話し合うことが、いざというときの安心につながります。

老人ホームや特養などの介護施設でご家族が亡くなられた場合、施設の体制によってその後の流れが大きく変わります。看取り対応の有無や、葬儀の場所、葬儀社の選定など、冷静な判断が必要となります。

日ごろから「万が一のときはどうするか」をご家族で話し合い、信頼できる葬儀社に相談しておくことで、慌てずに対応できる備えになります。

福岡市内で施設入居中のご家族がいらっしゃる方は、ぜひ一度、葬儀に関する情報を整理してみてください。